2009年3月8日日曜日

遅すぎるなんてことはない

友人のAiさんのブログのエッセイで最近忘れていたとこを思い出した。
それは、「何かを始めるのに遅すぎることはない」ということ。

Aiさんのエッセイは人によって、感じるところが異なると思うので、ぜひ実際に読んでみてほしいのだが、彼女が講師をしていた看護学校の卒業式があり、それに出席したという話。担当した生徒の皆さんはそれぞれ色々なバッググラウンドの中、努力を続けて卒業に至った、そのことがとても感慨深いという内容である。妊娠、出産しながら通学、資格取得をあきらめなかった生徒さんの話に、彼の姿を思い出した。

彼とは、2007年のホノルルマラソンで私たちの前を走り抜けて行った90歳のランナー、大河原さんである。私は以前からフルマラソンってどんなものなのか、どれだけ挑戦しがいがあるものなのか、いつかは挑戦したいと憧れを抱いており、ついに一昨年大枚をはたいて夫婦で参加した。「以前から」思っていた割にはいつものごとく「よしっ、今年参加しよう!」と思いつき、ジョギングを開始したのが9月。大会は12月なので、まるっきり運動不足な人には結構無謀な計画ではあったが、無事完走(いや完歩か?)することが出来た。そのときに出会ったのが彼である。

出会ったというのはおこがましい。彼は私たちの存在を知らない。
私たちは彼の後ろ姿を見て勝手にインスパイアされただけだ。彼の姿を見かけたのは、まだ20kmもいかない地点だったろうか?とろとろと歩く私たちをゆっくりとしたペースで追い越して行ったのが彼だった。彼は戦争中に足を怪我したことにより、足を若干ひきずりながら走っており、そのためそのスピードはとてもゆっくりだった。私たちは彼を追い越し、しばらくたって、歩いているとまた追い越され、というのが数回続いた。私たちは、彼をペースメーカーとし、遅れないようにと進んだ。だが、たびたび足を止める私たちに対して、彼は決して足を止めることはなかった。いつしか彼の姿は見えなくなっていた。

無事にゴールにたどりつき、笑顔と涙の感動の時間が過ぎ、帰国後、インターネットのニュースで彼の名前と、ひきずっていた足の訳を知った。彼が90歳だったということも。
マラソンを始めたのは60歳の時。ツアー参加者が集まるディナーの席でも隣席の完走者は70代、ジョギングを始めたのは45歳過ぎだった。私たちはこのマラソンで
「新しいことを始めるのに、遅すぎるなんてことはない」
ということを知った。時期が遅いと決めてしまったり、あきらめてしまうのは、自分自身だと。世の中の平均や、考えで遅い、早いと自分の行動を制限してしまうより、「始めよう」と思ったときが、その人にとっての最適なスタート地点なんだなと、あの時いたく感激した覚えがある。

Aiさんのエッセイを読んだとき、あの時の彼の後ろ姿が浮かんだ。
「走」と書かれたTシャツを着た彼の背中を。

大河原さんを紹介した産経ニュースの記事:
http://sankei.jp.msn.com/sports/other/071210/oth0712101057005-n1.htm

<今日のひろべーデータ>
体重:48.6kg
運動:スクワット 100回 腹筋 50回
勉強:Online英会話 1クラス

1 件のコメント:

  1. 夫婦で参加するなんで素敵ですね。そうだね、遅すぎることはないのか。でも私はやっぱり最近1つ諦めようかと思っていることがあります。いくつになっても、人生は迷いですかね。
    誰かを幸せにしてあげたいという、かすかな希望を模索し始めました。

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