渡辺さんは、ベストセラー本の「世界一やさしい問題解決の授業」を書いた方で、イエールを卒業後、マッキンゼーに入社。入社後もハーバードで学び、その後独立されて、現在は中学生から、一流企業の研修まで、新しい”教育”の形を提供されている。今日は、彼の新著「自分の答えのつくりかた」ダイヤモンド社 を読んだ。
読み終わった時の素直な感想は、「あ〜、これ中学生の時に読みたかったわ〜。」である。
そして、「でも、遅くなったとしても、出会えて良かった、今。」と思う。
全著と同様、軸にあるのが、「自分で問題をどのように把握し、分析し、適した答えを見つけていくのか」という点は変わらない。物語形式で海に住む魚のピンキーの目線で、中学生の彼の生活を通して、問題解決の方法を学んで、様々なハードルを超えていくのだ。ただ、前回と違うの「Independent Mind=自分軸=の創り方」の重要性である。
世の中色々な考え方や見方がある。視点を変えると、昨日まで正しかったことが、今日は間違いということだって
ある。国や人種や性別を超えると異なる考え方の違いを理解したうえで、自分軸を確立した、”自分の考え方”を確立
する重要性を説いているのだ。言葉で書くのは簡単だが、自分の考えを確立し、それを表現するのは難しい。
協調性を尊ぶ文化背景ではなおさらだ。そこを、それはそれとし、様々な角度で情報を集め、目的に沿った問題解決
を見いだせるよう、フェアな視点/方法を中学生にも分かりやすい方法で説明している。
著者はあとがきで、Independent Mind を持つ人々のことをこう語っている。
「その人たちは、暖かく、深い愛を持っている。そして他人や他の文化に対する尊厳の念を持っている。人を立場や
文化の違いで判断するのではなく、本質的な核となる何かを見つめている。等身大の自分を知り、等身大の自分を
生きている。大きく見せる必要もなく。作ろう必要もなく。幅広い分野で、現在そして蓄積された過去の「圧倒的な
人/モノ/概念」に遭遇したことがあるため、好奇心が旺盛であるとともに、非常に謙虚である。自分が何を知って
いて、何を知らないかを知っている。自分に何ができて、何ができないかを知っている。中略。
修羅場をくぐってきた経験から培った、ブレない価値観がある。同時に、あふれんばかりの好奇心があり、
新たなもの、違うもの、知らないものから学ぼうとする意欲が旺盛で、ものすごく柔軟である。」
そして、著者は考えたのだ。
「どうすれば、こういうひとが出来あがるのだろう?」と。このような人材を世界で何人育成できるかが、世の流れを
大きく変えるのだろうとさえ思うことがある」
そうして、踏み出したのだ、知識ではなく、"考え方を学ぶ"という教育に。
人によってアプローチは異なるが、自分が出来る方法で、世の中をちょっとでもより良くできたらな〜と誰でも考える
だろうが、実際に行動に移せる人は中々いない。そういう人の考えやアクションに、本やセミナーを通じて出会える
機会をせめて持ち続けることから、始めようかな。そう思った今日の読書でした。