まず始めが、ロジカルシンキングだ。
講師は、アルー株式会社の中村俊介さん。とっても話がじょうずで、難しい話も噛み砕いて、ポイントを具体例を使って説明してくださった。
最初に説明いただいた内容で興味深かったのが、「習う」と「慣れる」の違い。
「習う」→レクチャーなどで、基本的な知識や用語、構造、用法などを学び、汎用的なケーススタディなどを行う。レクチャーによっては、その場で自身の身近な問題などを使用して実習をするかもしれない。要は、知識の習得であり、そのうち役立つものだということ。
「慣れる」→用語や用法よりも前に体験が先になり、実際に仕事の場で使うことができること。
つまり、レクチャー開始時から、単に学ぶとひとっくくりにとらえてレクチャーに参加するのではなく、レクチャーで仕入れた知識を実生活、ビジネスに活用できるようになって始めて学んだことになるのだよ、というメッセージを参加者に伝えたワケであり。ちょっと、椅子に座って聞いてる側には、カウンターパンチでした。
で、ロジカルシンキング。
ロジシンを2時間でまとめて伝えようとしたところで、無理な話である。ロジシンの本を読んだことがある人には分かると思うが、一言にロジカルシンキングと言っても、そのシンキング方法には色々な方法がある。時間が限定されていることから、今回は基本中の基本で尚かつ広範囲に渡って活用できるピラミッド構造に絞って、説明、実習を行った。
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドの頂点部分が「結論」であり、その下に、結論の元となる情報が並び、さらにその下に上段の情報の元となる情報が並ぶ。物事を判断、結論づける際、様々な情報や条件をまず挙げて、それらをグルーピングし、要約し、それらをさらに要約することにより、最終的な結論、判断に行き着く思考の流れである。実習では、非常に忙しい上司である菊池部長に30秒で次年度の委託生産先業者について、報告、判断をあおぐというシュミレーションを行いました。案外30秒なんてあっというまで、言い直しをしている間にタイムアウトしてしまいました。結論を先に言うのは当然なのですが、結論を補う説明にあたる情報をどこまでうまく必要な分だけ伝えるのか、そこでピラミッドストラクチャーの登場なワケです。プレゼンの時間にあわせて、ピラミッドの頂点からその下の下辺まで、レーヤードごとにカットして伝えればいいわけで、今回は頂点の結論+上段の理由要約を端的に述べるのが、効果的であるという実習でした。
さて、このピラミッドストラクチャー。周りを見渡すと、どっかでいつもお目にかかりませんか?ええっと、この講座ってどこが主催してましたっけ?そうです。一瞬で答えられたあなた、デキますね。なんて、なんのことはありません。新聞ですよ、新聞。新聞はひとつひとつの記事がこのピラミッドストラクチャーで書かれていると言われています。確かに、最初にその記事の結論であるリードと言われる短い文章があり、その後にその文章の補足情報が続きます。なるほど、なるほど。毎日、日経新聞を読み続けると、自然とロジカルシンキングも身についてくるという流れ、まとめになるわけですね〜。
と、感心したところで今読んでいる本で、ほっほ〜と思うリードに関する記載がありました。
(チップハース+ダンハース著 日経BP社 「アイデアの力」より一部を抜粋)
「恋人達の予感」や「めぐり会えたら」の映画の脚本家で有名なノラエフロンが高校生のころ受けたジャーナリズム基礎講座の授業の中での出来事である。教師は次の事実を口述し、生徒はその内容をリードにするという課題でした。その事実は、「ビバリーヒルズ高校のケネスLピーターズ校長は今日、次のように発表した。来週の木曜、同校の教員全員がサアクラメントに行き、新しい教授法の研修を受ける。研修会では、人類学者のマーガレットミード、大学の学長であるロバートメイナードハチング博士、カリフォルニア州知事のエドマンドブラウンらが公苑を行う」という何ら特徴のない、情報です。これをリードにまとめるとなると、「いつ、誰が、どこで何をどうした」という内容の端的な文章をリードとしてまとめようとしがちですが、教師のこたえは違いました。「この記事のリードは『来週の木曜は休校になる』だ」エフロンは、つぎのように回想します。「あの瞬間、ジャーナリズムとは、事実を反復することではなく、ポイントを見つけることだと気付いた。誰が、いつ、どこで、何をしたかを知っているだけでは足りない。それが何を意味するのか、なぜそれが重要かを理解する必要がある」
単に結論をまとめるだけではなく、集められた様々な条件や情報、隠れた情報を読み取り、理解し、最終的なピラミッドの頂点に行き着くことが大事なんですね。日経新聞の中にも、報道される事実を違った角度で見てみると、異なる結果や状況が現れることがあります。まずは日々の新聞チェックで意識して情報に対峙し、自分なりの結論を生み出すことから、慣れる必要がありそうです。
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