2009年12月13日日曜日

感じる力:モノより思い出。

このキャッチコピー、ハッとさせられた方多いのではないでしょうか?
今だに新鮮なこのコピー、実は2004年のものだってご存知ですか??そう、発表されてからもうすでに5年経過しているワケです。2004年の日産セレナのコピーで、子供をつれて自然の中でひとときを楽しむ家族の姿が、世の特にお父さんをハッとさせたのです。いかんいかん、土日にゴロゴロしてばかりじゃダメだなと。

この「モノより思い出。」は単なるコピーではなく、ライフスタイルへの価値観にもなりえるものではないかとここ数年特に感じます。もちろん、土日の高速代金割引、不況化の消費冷え込み(ラグジュリーブランド製品への消費は特に)の背景も多いに関係しているのだとは思いますが、それだけではなく、日本の消費生活、ライフスタイルの価値観が成長し、より心の豊かさを求める結果、こういった”モノの消費”ではなく”体験、豊かな時間を過ごす消費”へと変化していると考えられます。バブルまでは高級品を買う/持つ行為=豊かな生活でした。その後は高級レストランでの食事=豊かな生活。どちらかと言うと、ともかく人と同じ、それ以上の「高級な行為」こそが、豊かな生活だという認識が一般的で、だからこそ、OLがこぞって高級ブランド製品を求めて、彼が高級ホテルを1年前から予約するというクリスマス消費があり、それが年末の日本消費を支えていたんだと思います。

ところが、今、時代は「お金で買えないモノではない何か」を求めているような気がします。
「お金で買えないモノ」、それこそが思い出だったり時間そのものだったり。つまり思い出が残る豊かな時間の過ごし方というわけです。私自身、何か高額なモノ(といっても、私の場合たいした金額ではありませんが、、、)を購入する際、ふとこのコピーが頭に浮かびます。この「モノ」を所有するのと、夫や友人と旅行に出かける、前からしたかった習い事をする費用にするのとどっちが自分にとって価値あるお金の使い方だろうかと。

前置きが長くなりましたが、先日日経ビジネスオンラインで面白い記事を見つけました。”「未来の仕事」を考える”というコラムの著者が、月3万円の仕事を10個して月収30万円得る仕事の方法もあるというもので、その記事もおもしろいのですが、その著者が代表をしている会社の紹介がまた面白く、まさに「豊かな消費」を反映するビジネスモデルだなと感心しながらHPを見てしまいました。彼がしているのは「体験ギフト業」です。モノを送るのもいいけど、思い出に残るハンググライダー体験のひとときもいいのでは?という提案をしています。まさに、「モノより思い出。」を体現したビジネスであると言えます。

そんなこんなで先日誕生日を迎えた夫に「誕生日プレゼント何がいい?」と聞くと、返ってきたのは「ウ〜ン、眼鏡。ここんとこ、色が剥げてきちゃってさ〜。」という答え。
そうそう、すっかり忘れておりましたが、「モノより思い出。」の前にありました、実用的なニーズと消費」という大事なものが。確かに豊かな消費の前提には、日々の生活という「基本の消費がありましたね。。。。


3 件のコメント:

  1. そうだね。死ぬときは”ああ、楽しかった、嬉しかった、悲しかった、温かいきもちになった、大好きだった、せつなかった”とか、思い出は持っていけるけれど、物はもっていけないものね。思い出を作る為の出費はおしげなくしてるかも、わたし。

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  2. そうよね、日本人はモノが好きだよね。買っても買ってももの足りない病・・・・シンプルに行きたいものですが・・・・

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  3. 物って増える一方で整理が大変だけど、思い出は心の中で整理ができて、増えても困らないよね。

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